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費用と資金 約4分で読めます

設計監理・コンサルタントの費用の考え方

工事費に対する割合ではなく、業務量で見る

設計監理・コンサルタントの費用の考え方

設計監理方式を選ぶと、工事費とは別にコンサルタントへの報酬が発生します。

「その分、総額が上がる」という理解は正しいのですが、何に対して払っているのかを把握しておく必要があります。

そして、この費用の妥当性を判断する方法があります。

何に対する費用か

コンサルタントの業務は、大きく4つに分かれます。

業務 内容
調査・診断 建物の劣化の状況を調べる
設計 工事の範囲と仕様を決め、設計図書を作る
施工会社の選定支援 見積の条件を揃え、比較を助ける
工事監理 工事が設計どおり行われているかを確認する

4番目が、業務量の多くを占める部分とされています。

工事の期間中、継続的に現場を確認する業務です。立会いの回数、確認する項目、報告の頻度によって、必要な時間が変わります。

「工事費の何%」という見方の限界

この見方が広く使われていますが、限界があります。

工事費が大きくても、業務量が比例して増えるとは限りません。 逆に、工事費が小さくても、建物の形状が複雑であれば業務量は増えます。

国土交通省の実態調査でも、次のように整理されています。

大規模修繕工事の設計コンサルタント業務量は、マンションの規模や大規模修繕工事金額が増加するにつれて増加する傾向が見られるものの、個別性が高くバラツキがある。

つまり、割合だけでは判断できません。

業務量で見る

時間と人が、どれだけ充てられるか

より実質的な見方は、業務量です。

国土交通省の実態調査には、設計コンサルタント業務の業務内訳と業務量のデータが整理されています。技術者の職能に応じた業務量(人・時間)として収集されており、戸数規模別の集計もあります。

自分と同規模のマンション群のデータと比べることで、相対的な位置づけを確認できます。

特に、工事監理の業務量に着目する観点が示されています。ここが極端に少なければ、監理が実質的に行われない可能性があります。

見積で確認すること

  • 業務の範囲(4つの業務のうち、どこまで含むか)
  • 各業務の業務量(何人・何時間を想定しているか)
  • 工事監理の頻度(何回、何を確認するか)
  • 報告の方法と頻度
  • 追加の業務が生じた場合の扱い

2番目と3番目を、必ず聞いてください。 「設計監理業務 一式」では、何をするのか分かりません。

そして、工期が延びた場合の扱いも確認してください。監理の期間が延びれば、業務量も増えます。

極端に安い場合

業務量に見合わない報酬で受注しているなら、理由があります。

国土交通省は平成29年1月に通知を発出し、発注者である管理組合の利益と相反する立場に立つ設計コンサルタントの存在について注意喚起を行っています。

報酬が安すぎる場合、別に収入源がある可能性を疑う必要があります。

「他社より格段に安い」という提案には、その理由を確認してください。

責任施工方式との比較

責任施工方式では、この費用はかかりません。

ただし、その分の機能も存在しません。

機能 設計監理方式 責任施工方式
第三者による設計 あり なし(施工会社が行う)
共通の仕様での比較 しやすい 組合が条件を作る必要がある
独立した工事監理 あり なし

「安いから責任施工」ではなく、「その機能をどう代替するか」を考えてください。

  • 複数社の見積を、組合が条件を揃えて比較する
  • 工事中の確認を、理事会・委員会が行う
  • 記録写真の提出を、契約で義務づける

これらで一定の代替はできます。 ただし、理事の負担は増えます。

総額で比較する

判断するときは、総額で比べてください。

  • 設計監理方式:工事費 + コンサルタント費用
  • 責任施工方式:工事費のみ

そして、内容が同じかを確認してください。 設計監理方式のほうが、仕様が明確で、比較の条件が揃っている場合があります。金額だけでは判断できません。

規模が小さいほど、コンサルタント費用の比重が大きくなります。 小規模なマンションで設計監理方式を選ぶ場合、この点を確認してください。

コンサルタント費用で注意すること
  • 「工事費の◯%」という説明だけで、業務量が示されていない
  • 業務の範囲が曖昧で、どこまで行うか分からない
  • 工事監理の頻度と内容が、契約に明記されていない
  • 極端に安い理由を、確認していない
  • 工期が延びた場合の扱いが、決まっていない

※ 本記事は公表資料をもとにした一般的な整理です。費用の水準は業務の範囲と建物の条件によって変わります。

出典:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」/国土交通省「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」(平成29年1月)

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
設計監理方式設計コンサルタントが設計と監理を行い、施工を別会社が担う方式。
責任施工方式施工会社が調査・設計・施工をまとめて担う発注方式。
工事監理工事が設計図書のとおりに行われているかを確認する業務。
設計図書工事の内容を示す図面と仕様書。
業務量業務に要する人と時間の量。
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