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進め方と合意形成 約3分で読めます

理事会・修繕委員会・管理会社の役割分担

誰が決め、誰が助言し、誰が受注し得るのか

理事会・修繕委員会・管理会社の役割分担

大規模修繕には、複数の主体が関わります。 そして役割が曖昧なまま進むと、後で「誰が決めたのか」が問題になります。

特に注意が要るのは、管理会社の位置づけです。助言者なのか、受注候補なのか。両方であることもあります。

4つの主体

主体 役割 決定権
総会 議案を決議する あり(最終)
理事会 業務を執行し、議案を整理する 一部あり
修繕委員会 調査・検討・比較を行い、案を作る なし
管理会社 事務の代行、助言。受注側になることもある なし

修繕委員会に決定権はありません。 検討する場です。ここを誤ると、決議の正当性が問われます。

そして4番目が、最も整理が必要な立場です。

管理会社は、どの立場で関わっているか

管理会社の関与には、いくつかの形があります。

  • 管理委託契約の範囲内での事務(総会の招集事務、資料の作成補助など)
  • 助言(過去の経緯の説明、資料の提供)
  • 工事の提案・見積の提出(受注側として)
  • 元請として工事を受注し、協力会社が施工する

3番目と4番目に入った時点で、立場が変わります。

管理会社は、組合から管理の委託を受けている立場です。同時に、工事を受注する立場にもなり得ます。

この2つが重なると、利益が相反する構造が生じます。

管理会社を排除する必要はありません

建物の履歴を最もよく知っているのは管理会社です。その知見は有用です。

必要なのは、どの立場で発言しているかを明確にすることです。

委託契約の範囲を確認する

大規模修繕に関わる業務が、管理委託契約に含まれているかを確認してください。

  • 含まれている → 委託費の中で対応する
  • 含まれていない → 別途の費用が発生する

ここが曖昧なまま依頼すると、後から請求が来ます。

逆に、契約に含まれているのに使っていない業務もあります。委託契約書を読み直す機会にしてください。

判断が必要な場面での整理

助言と提案は、分けて記録する

管理会社から提案が出たとき、次を確認してください。

確認 内容
これは助言か、提案か 中立の情報提供か、受注に向けた提案か
他社の見積も取るか 1社のみで進めない
見積の根拠は何か 数量と単価が示されているか
比較の条件を作れるか 他社にも同じ条件で依頼できるか

2番目が最も重要です。 管理会社の提案を検討すること自体は問題ありません。問題は、それしか見ないことです。

複数社を比較したうえで管理会社を選ぶなら、その判断には根拠があります。比較せずに決めると、後で住民から「なぜ比べなかったのか」と問われます。

議事録に、立場を書く

誰の発言か、どの立場での発言かを、議事録に残してください。

  • 委員会の検討として決めたこと
  • 理事会が判断したこと
  • 管理会社から提供された情報
  • 管理会社からの提案

4番目を「情報」と混ぜないでください。 提案は、提案として記録します。

この区別が、後の説明を可能にします。 「管理会社に言われたから」ではなく、「複数の情報を比較して判断した」と説明できる状態にしてください。

窓口を一本化する

役割を分けることと、窓口を分けることは別です。

住民から見て、どこに連絡すればよいのかが分かる状態にしてください。

内容 窓口
工事の内容や進捗 施工会社(現場の窓口)
生活への影響、苦情 施工会社。対応が難しい場合は理事会
費用や決議に関すること 理事会
日常の管理に関すること 管理会社

これを住民に周知してください。 周知がないと、すべての連絡が理事長個人に来ます。

理事の負担を減らす

理事は無償で、任期があり、本業があります。 すべてを抱えると続きません。

  • 事務作業は管理会社に依頼できる範囲を確認する
  • 検討は修繕委員会に分ける
  • 業者とのやりとりを、代行できる部分は依頼する
  • 記録は、その場で残す運用にする

4番目が効きます。 後でまとめて議事録を作ろうとすると、負担が集中し、結局残りません。

その場で要点だけ書く。 完成度より、残っていることのほうが重要です。

※ 本記事は一般的な整理です。役割の分担は管理規約と委託契約の内容によって変わります。

中立の立場から、複数社の比較をお手伝いします

大規模修繕laboは、発注者と施工会社をつなぐ窓口です。ご相談は無料です。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
理事会管理組合の業務執行を行う機関。
修繕委員会大規模修繕の検討を行うために設ける組織。決定権は持たない。
管理委託契約管理組合が管理会社に業務を委託する契約。
利益相反一方の利益が、他方の不利益になる関係にあること。
元請発注者から直接工事を請け負う会社。
議事録会議の内容と決定事項を記録した書面。
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