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会社選びと発注方式 約4分で読めます

施工会社の選び方——何を見るか

金額を比べる前に、会社そのものを見る

施工会社の選び方——何を見るか

見積が3社から届いた。金額を比べる前に、確認しておくことがあります。

その会社が、この工事を最後まで担える会社かどうかです。

金額の差は数%のこともありますが、会社の差は、工事中と工事後の何年にもわたって効いてきます。

確認できることから始める

公的に確認できる情報があります。 主観の入らない、最初の足がかりです。

確認すること 見方
建設業許可 許可の業種と、許可番号。行政の検索システムで確認できる
経営事項審査の結果 公共工事を受注する会社は公表されている
所在地と事業年数 登記や会社概要で確認できる
保険への加入 賠償責任保険、工事保険の加入状況

1番目は必ず確認してください。 大規模修繕の規模では、建設業の許可が必要になるのが通常です。

許可の有無だけでなく、どの業種の許可かも見てください。防水、塗装、建築一式。工事の内容に対応した許可があるかどうかです。

4番目も書面で確認できます。 工事中の事故で第三者に損害が生じた場合に備えるものです。証書の写しを求めて構いません。

現場に誰が立つのか

契約する相手と、現場に来る人は別のことがある

大規模修繕では、元請と実際の施工者が異なることがあります。 これは業界では一般的な形です。

問題は、それが説明されないまま進むことです。

  • 現場代理人は誰か
  • 監理技術者・主任技術者は誰か
  • 実際に作業するのは、自社の職人か協力会社か
  • 各工種(塗装、防水、シーリング)を誰が担うのか

「誰が現場に立つのか」を説明できるかを見てください。 説明できる会社は、体制を把握しています。

そして、工事中の窓口を確認してください。 住民からの質問や苦情を、誰が受けるのか。ここが曖昧だと、すべて理事に来ます。

保証とアフター

書面で示されるかどうかが判断材料です。

  • 保証の対象(部位ごとに期間が違うのが通常)
  • 保証の期間
  • 対象外になるもの
  • 点検の予定(何年後に、何を見るか)
  • 連絡先と、対応の流れ

期間の長さだけで比べないでください。 長くても対象が狭ければ意味がありません。「何が対象か」のほうが重要です。

そして、その会社が存続していることが前提です。 保証の期間中に会社が無くなれば、保証は機能しません。事業年数や規模を見る理由の一つがこれです。

住民対応の姿勢

大規模修繕に固有の観点です。

住民が住んだまま工事が進むため、施工の技術と同じくらい、対応の質が結果を左右します。

確認する点 見方
工程表の細かさ どの住戸が、いつ影響を受けるかまで示せるか
住民への通知の方法 掲示だけか、各戸への配布もあるか
苦情の窓口 現場に常駐者がいるか、連絡先が明確か
説明会への参加 施工会社が説明する場を設けられるか
過去の対応 苦情が出たときにどう対応したかを説明できるか

5番目を聞いてみてください。 「苦情はありません」と答える会社より、「こういう苦情があり、こう対応した」と説明できる会社のほうが信頼できます。

苦情が出ない工事はありません。出ないと言うのは、把握していないか、言えないかのどちらかです。

見積の出し方も、判断材料になる

  • 現地調査に、どれだけ時間をかけたか
  • 数量の根拠を説明できるか
  • 見積に含まれない項目を、自分から挙げたか
  • 質問への回答が具体的か
  • 提案の内容が、この建物に即しているか

3番目が最も分かりやすい指標です。 含まれないものを自分から言えるのは、範囲を把握している証拠です。

5番目も見てください。 どの建物にも当てはまる一般的な提案書は、この建物を見ていない可能性があります。

判断を、住民に説明できる形にする

理事が最終的に問われるのは、「なぜその会社を選んだのか」です。

  • 確認した項目
  • 各社の違い
  • 選定の基準
  • 選んだ理由

この4点を記録に残してください。 総会の資料になり、工事後の説明の材料にもなります。

「安かったから」だけでは、後で守れません。 何を見て判断したのかを、書いておいてください。

判断を急ぐと起きること
  • 建設業許可や保険の確認を飛ばした
  • 現場の体制を聞かないまま契約した
  • 保証の内容を口頭で聞いただけで、書面がない
  • 提案書を読み込まず、金額だけで決めた
  • 選定の過程を記録せず、後で説明できない

※ 本記事は一般的な整理です。確認すべき事項は工事の内容と規模によって変わります。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
建設業許可一定規模以上の建設工事を請け負うために必要な許可。
経営事項審査公共工事を受注する建設業者が受ける、経営状況等の審査。
元請発注者から直接工事を請け負う会社。
現場代理人現場において請負人を代理する立場の者。
監理技術者・主任技術者工事の技術上の管理を行うために配置される技術者。
賠償責任保険工事中に第三者へ与えた損害を補償する保険。
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