メインコンテンツへスキップ
会社選びと発注方式 約4分で読めます

見積書の読み方(数量・単価・一式)

相場と比べる前に、何が含まれた金額かを確認する

見積書の読み方(数量・単価・一式)

見積書が届いた。総額は分かるが、それが妥当なのか判断できない。

理事が最初に行き詰まるところです。そして多くの方が、相場の数字と総額を比べようとします。

ここに落とし穴があります。 比べる前に、それぞれが何を含んだ金額なのかを確認する必要があります。

公的調査の金額は「直接工事費」

国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の工事金額は、直接工事費として集計されています。

そして、次のものは含まれていません。

  • 共通仮設費
  • 現場管理費
  • 一般管理費
  • 消費税相当額

つまり、調査の数値と見積書の総額を直接比べることはできません。

見積の総額には、上記が加算されています。当然、調査の数値より大きくなります。

「相場より高い」という誤解の、最も多い原因がこれです。

比べるなら、条件を揃えてください

見積書の中から直接工事費にあたる部分を取り出し、その金額で比較する。

総額どうし、あるいは直接工事費どうし。 混ぜて比べると判断を誤ります。

見積書の構成

一般的な工事の見積は、次のような構成になっています。

区分 内容
直接工事費 実際の工事にかかる費用(材料・施工の手間)
共通仮設費 現場事務所、仮設トイレ、安全対策など
現場管理費 現場の運営・管理にかかる費用
一般管理費 会社の運営にかかる費用の配賦
消費税

下の3つは、作業そのものではありません。 しかし不当な項目ではなく、必要な費用です。

むしろ、これらを極端に低く計上している見積のほうが注意が必要です。どこかで帳尻を合わせる必要があるため、後から追加が出るか、管理が手薄になります。

数量・単価・単位が並んでいるか

内訳を見るときの基本です。

何が書かれているか
工事項目 何をする工事か
数量 どれだけの量か
単位 ㎡、m、箇所、式など
単価 1単位あたりの金額

この4つが揃っていれば、確認すべき場所がはっきりします。

  • 数量は、建物の実際と合っているか
  • 単価は、他社と比べてどうか
  • 単位の取り方が、他社と揃っているか

揃っていない見積は、比較にも交渉にも使えません。

「一式」は分解を依頼する

まとまった金額は、中身が見えない

金額の大きい項目が「一式」とだけ書かれている場合、分解を依頼してください。

依頼の仕方は「安くしてください」ではありません。「この項目の数量と単価を教えてください」と聞くだけです。

出せる会社はすぐ出します。 出せない、あるいは渋る場合、現地を十分に見ていない可能性があります。

少額の付帯作業を一式でまとめるのは、通常の書き方です。 問題は、金額の大きい項目が一式になっているときです。

数量が妥当かを見る

単価が安くても、数量が多ければ総額は増えます。

外壁の下地補修は、劣化の程度によって数量が変わる項目です。ひび割れの長さ、欠損の面積、タイルの浮きの枚数。

  • 診断の結果と、見積の数量が対応しているか
  • 各社の数量が、大きく違っていないか
  • 実際の数量が確定するのはいつか

3番目が重要です。 下地補修は、足場を組んで調査してから確定することがあります。この場合、見積の段階では想定の数量です。

「実際の数量で精算する」という契約になっているかを確認してください。 想定より少なければ減額されるのか、そのままなのか。ここが後の追加費用に直結します。

各社の見積を比べるとき

比較の前に確認すること
  • 工事の範囲が、全社で一致しているか
  • 数量の拾い方が、同じ前提か
  • 単位の取り方が揃っているか(㎡と式が混在していないか)
  • 共通仮設費・諸経費が、どこに計上されているか
  • 消費税の扱い(税込か税抜か)
  • 数量の増減があった場合の精算方法

4番目に注意してください。 ある会社は諸経費を独立の項目にし、別の会社は各工事の単価に含めている、ということがあります。この場合、項目ごとの単価を比べても意味がありません。

共通の仕様書があると、この問題が減ります。 設計監理方式が比較に向いているのは、この点によります。

分からないことは、聞いてよい

理事は建築の専門家ではありません。分からない項目があるのは当然です。

質問して、説明できるかどうかを見てください。 説明できない項目は、そもそも根拠が薄い可能性があります。

そして、その質問と回答を記録してください。 総会で住民から同じ質問が出たとき、答えられます。

※ 本記事は公表資料をもとにした一般的な整理です。見積書の書式は会社によって異なります。

出典:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」

中立の立場から、複数社の比較をお手伝いします

大規模修繕laboは、発注者と施工会社をつなぐ窓口です。ご相談は無料です。

無料相談はこちら

付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
直接工事費実際の工事にかかる費用。材料費と施工の手間。
共通仮設費現場事務所、仮設設備など、工事全体に共通してかかる仮設の費用。
現場管理費現場の運営と管理にかかる費用。
一般管理費会社の運営にかかる費用のうち、その工事に配賦される分。
一式数量と単価を分けずにまとめて計上する表記。
下地補修仕上げの下にあるコンクリートのひび割れや欠損を直す工事。
精算実際の数量が確定した時点で、金額を確定させること。
大規模修繕でお困りですか?
無料見積もり・即日対応いたします
お問い合わせ →
無料相談 → 03-6821-8657