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会社選びと発注方式 約4分で読めます

契約書で確認すること

揉めるのは、書いていない部分

契約書で確認すること

施工会社が決まり、金額も固まった。残るのは契約です。

ここで揉めるのは、契約書に書いてあることではなく、書いていないことです。

そして管理組合の場合、理事は個人の資産で契約しているのではありません。 住民から預かった資金で発注します。確認の責任は重くなります。

工事の範囲

最も重要な項目です。

「大規模修繕工事一式」では、範囲が確定しません。 次を契約の一部として添付してください。

  • 設計図書(図面と仕様書)
  • 数量の内訳が入った見積書
  • 工事の範囲を示した書面

特に、含まれないものを明記してください。

  • 今回は行わない部位
  • 専有部の扱い
  • 住民の要望による追加の扱い

「含まれないもの」を書くほうが、範囲は明確になります。

数量の精算方法

大規模修繕に特有の、最も重要な条項です。

下地補修やタイル補修は、足場を組んで調査するまで数量が確定しません。

確認すること

項目 確認内容
精算の方式 実数精算か、数量固定か
増えた場合 追加の請求になるか
減った場合 減額されるか
単価 契約時の単価を準用するか
確定の時期 いつ数量が確定するか
確認の方法 誰が、どう数量を確認するか

3番目を必ず確認してください。 増えたときだけ請求され、減っても戻らないという形は公平ではありません。

6番目も重要です。 数量の確認に、管理組合または監理者が立ち会うのか。施工会社の申告のみで確定するのか。

工期と、遅延の扱い

  • 着工と完了の予定日
  • 天候による遅延の扱い
  • 遅延した場合の、仮設費の負担
  • 工期を変更する場合の手続き

3番目が、金額に直結します。 工期が延びれば、足場のリース期間も延びます。誰が負担するのかを定めておいてください。

天候による遅れは、通常は追加費用にならない扱いが一般的ですが、定めがないと争いになります。

追加・変更の手続き

変更したときの手順を、先に決める

工事中に変更が生じることを前提に、手順を定めてください。

  • 変更は、書面で合意してから着手すること
  • 追加分の単価の考え方
  • 誰が承認するか(金額の範囲を明示)
  • 工期への影響を、そのつど確認すること
  • 施工前の写真など、記録を提出すること

5番目を入れておいてください。 下地補修の数量が増えたという報告を受けても、補修してしまえば元の状態は確認できません。

記録の提出を契約の義務にしておくと、後から確認できます。

保証と、契約不適合責任

2つは別のものです。

内容
契約不適合責任 契約の内容に適合しない場合の、法律上の責任
保証 契約で定める、施工会社の自主的な保証

確認すること

  • 保証の対象(部位ごとに期間が違うのが通常)
  • 保証の期間
  • 対象外になるもの
  • 責任を追及できる期間の定め
  • 不具合が出た場合の連絡先と手順

期間の長さだけで判断しないでください。 長くても対象が狭ければ意味がありません。「何が対象か」のほうが重要です。

そして、施工会社が存続していることが前提です。 保証の期間中に会社が無くなれば、保証は機能しません。

支払いの条件

  • 支払いの時期と回数
  • 着手金の有無と、その割合
  • 出来高払いの場合、確認の方法
  • 最終の支払いの時期(完了確認の後か)
  • 遅延した場合の扱い

4番目を確認してください。 完了を確認してから支払うという順序にしてください。

そして、支払いの時期が総会で決議した予算の執行と整合しているかを確認してください。管理組合の会計処理に関わります。

中止・解除の定め

起きてほしくないことですが、定めがないと動けません。

  • 工事を中止する場合の手続き
  • その時点までの出来高の扱い
  • 着手金の返還
  • 発注した材料の扱い

総会の決議が覆る、資金が調達できない、施工会社に問題が生じる。 いずれも起こり得ます。

保険

  • 施工会社が加入している保険の内容
  • 工事中の事故で、第三者に損害が生じた場合の対応
  • 建物への損害が生じた場合の対応

証書の写しを求めて構いません。 契約の前に確認してください。

契約前に、時間を取る

契約で起きやすいこと
  • 工事範囲が図面で示されておらず、「一式」のままだった
  • 数量の精算方法が定められていなかった
  • 追加は口頭で決められ、後から請求が来た
  • 保証の内容が書面になく、口頭の説明だけだった
  • 中止した場合の扱いが定められていなかった

契約書を渡されたその場で押印する必要はありません。

持ち帰って、理事会・委員会で確認してください。 分からない条項があれば、説明を求めてください。

説明できない条項があるなら、そこが問題です。

必要に応じて、マンション管理士や専門家に確認することも検討してください。金額の規模を考えれば、その費用は妥当な支出です。

※ 本記事は一般的な整理であり、個別の契約の解釈を示すものではありません。内容に不安がある場合は、専門家にご相談ください。

中立の立場から、複数社の比較をお手伝いします

大規模修繕laboは、発注者と施工会社をつなぐ窓口です。ご相談は無料です。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
請負契約仕事の完成を約束し、それに対して報酬を支払う契約。
設計図書工事の内容を示す図面と仕様書。
実数精算実際の数量が確定した時点で、金額を精算する方式。
契約不適合責任引き渡されたものが契約の内容に適合しない場合の責任。
出来高払い工事の進捗に応じて代金を支払う方式。
マンション管理士マンションの管理に関する助言を行う国家資格者。
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