メインコンテンツへスキップ
工事の中身 約3分で読めます

鉄部塗装と金物の更新

下地処理の質で、次までの持ちが決まる

鉄部塗装と金物の更新

階段、手すり、扉、面格子、設備の架台。建物には、多くの鉄の部材が使われています。

そして鉄は、外壁より早く傷みます。 大規模修繕の周期を待たずに、錆が目立ってくることがあります。

塗装の質を決めるのは、塗る前の下地処理です。

対象になる部位

部位 状態が出やすい場所
階段の側板・段板 雨がかかる部分、水が溜まる部分
手すり 支柱の根元、接合部
玄関扉の枠、面格子 下部、隅
設備の架台 屋上、地面に接する部分
消火栓箱、扉 開閉部、下端
配管の支持金物 接触部

共通するのは、水が溜まる場所と、他の材料と接する場所です。

支柱の根元は、特に傷みます。 床との取り合いに水が入り、内側から錆びます。外から見ると健全でも、根元で断面が減っていることがあります。

錆が進む仕組み

塗装は、鉄を空気と水から隔てる膜です。 その膜が切れると、そこから錆びます。

  • 塗膜に傷が入る、劣化して薄くなる
  • 鉄が空気と水に触れ、錆が発生する
  • 錆は膨張し、周囲の塗膜を押し上げる
  • 剥がれた部分から、さらに錆が広がる

この連鎖が、放置すると加速します。

そして、錆を残したまま上から塗っても止まりません。 塗膜の下で進行し続けます。

ケレンが、寿命を決める

錆を落としてから塗る

塗る前に錆を落とす作業を「ケレン」といいます。

この作業の程度で、塗装の持ちが変わります。

程度 内容
軽い 浮いた錆や旧塗膜を、工具で落とす
中程度 錆と劣化した塗膜を、しっかり除去する
入念 素地が出るまで落とす

費用の差は、この作業の手間の差です。

見積で「鉄部塗装 ◯㎡」としか書かれていない場合、ケレンの程度が分かりません。 どの程度の下地処理を行うのかを確認してください。

そして、ここが省かれると、次の修繕まで持ちません。 数年で錆が出てきます。

仕上がりは、塗った直後には差が出ません

ケレンが不十分でも、塗装した直後はきれいに見えます。

差が出るのは、数年後です。 だから見積の段階で確認する必要があります。

塗装で済むか、更新が必要か

錆が進みすぎると、塗装では対応できません。

状態 対応
表面的な錆 ケレンして塗装
錆が深い、断面が減っている 部分的な補強、または更新
穴が空いている 更新
手で押すと動く、ぐらつく 安全に関わる。更新を検討

4番目は、優先度が上がります。 手すりがぐらつく状態は、人が体重をかけたときに事故になり得ます。

更新すると費用は上がりますが、塗装を繰り返しても状態は戻りません。 診断の結果にもとづいて判断してください。

アルミやステンレスは、扱いが違う

すべての金属を塗装するわけではありません。

  • アルミ — 錆びにくい。通常は塗装しない
  • ステンレス — 錆びにくい。清掃や研磨で対応する
  • 鋼製(鉄) — 塗装が必要

建物によっては、手すりがアルミに更新されていることがあります。この場合、塗装の対象から外れます。

見積で、対象の部位と材質が整理されているかを確認してください。 塗らない部材が計上されていないかを見る、という観点です。

周期が、外壁より短い

鉄部は、外壁の周期より早く傷みます。

そのため、大規模修繕の間に、鉄部だけを塗装するという考え方があります。

  • 足場が要らない範囲であれば、単独で施工できる
  • 錆が広がる前に手を入れられる
  • 次の大規模修繕での作業量が減る

手が届く範囲の鉄部は、足場なしで塗装できます。 階段の手すり、共用廊下の扉、設備の架台。日常の管理の延長として対応できる部分です。

長期修繕計画に、鉄部の中間塗装が含まれているかを確認してください。 含まれていない場合、計画の見直しの際に検討する余地があります。

工事中の影響

  • 階段や手すりが、一時的に使えない
  • 塗りたての部分に触れないよう、注意が要る
  • 臭気が出ることがある
  • 扉の開閉ができない時間帯がある

1番目と4番目は、生活に直接影響します。 特に階段は、代替の経路があるかを確認してください。 一方通行にする、時間帯を分けるといった運用が要ります。

高齢の住民や、車椅子を使う住民がいる場合、事前の個別の相談が必要です。

※ 本記事は一般的な整理です。適した処理は部材の状態によって変わります。

中立の立場から、複数社の比較をお手伝いします

大規模修繕laboは、発注者と施工会社をつなぐ窓口です。ご相談は無料です。

無料相談はこちら

付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
鉄部塗装鋼製の部材に対して行う塗装。錆の進行を防ぐ。
ケレン塗装の前に、錆や劣化した塗膜を除去する作業。
素地塗装の下にある、部材そのものの表面。
塗膜塗装によって形成される膜。
架台設備を載せるための台。屋上などに設置される。
中間塗装大規模修繕と大規模修繕の間に行う、部分的な塗装。
大規模修繕でお困りですか?
無料見積もり・即日対応いたします
お問い合わせ →
無料相談 → 03-6821-8657