大規模修繕の費用相場
——戸数規模別・工事項目別の目安

最終更新日:2026年7月3日|大規模修繕labo 編集部

大規模修繕を検討し始めたとき、まず気になるのが「いくらかかるのか」という費用の目安ではないでしょうか。この記事では、公的な調査をもとにした戸あたりの目安、戸数規模別の概算、そして工事項目ごとの費用の考え方を、中立の立場で整理します。あわせて、相場の数字を眺めるだけでは分からない「自分の建物にとっての適正」をどう考えるかについても解説します。

費用相場の考え方——前提を知っておく

はじめに押さえておきたいのは、大規模修繕の費用は建物の状態や仕様によって大きく変わるということです。同じ戸数のマンションでも、次のような条件によって金額は変動します。

  • 築年数と劣化の進み具合(下地補修の量など)
  • 建物の形状・階数・外壁の面積(足場や塗装の数量に直結)
  • 外壁の仕上げ(タイル張りか塗装仕上げかなど)
  • 今回の工事でどこまで実施するか(工事範囲・仕様のグレード)
  • 過去の修繕履歴やメンテナンスの状況

そのため、相場の数字はあくまで「検討の出発点となる目安」として捉えるのが適切です。相場と比べて高い・低いというだけでは、その見積もりが適正かどうかは判断できません。

戸あたりの目安——国土交通省の実態調査から

公的な参考データとして、国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、戸あたりの工事金額はおおむね75万円〜125万円の価格帯に多くの事例が集中しています。

「戸あたり◯万円」という指標は、規模の異なるマンション同士でも比較しやすいため、概算の目安としてよく用いられます。ただしこれは調査対象の分布を示すものであり、この範囲に収まれば適正、外れれば不適正、という基準ではない点に注意が必要です。小規模な建物では戸あたりの負担が相対的に大きくなる傾向があるなど、規模や条件による違いもあります。

戸数規模別の概算テーブル

戸あたり75万〜125万円という目安をもとに、戸数規模別に単純計算した概算を示すと次のようになります。

戸数規模 工事金額の概算(戸あたり75万〜125万円で単純計算)
10戸未満 〜約1,250万円
10〜30戸 約750万〜3,750万円
30〜50戸 約2,250万〜6,250万円
50〜100戸 約3,750万〜1億2,500万円
100戸以上 約7,500万円〜

※建物の状態・仕様・時期により大きく変動します。個別の金額を保証するものではありません

幅が大きいと感じられるかもしれませんが、これは実際の工事金額が建物ごとの条件に左右されることの表れでもあります。自分のマンションの規模がどのあたりに位置するかを掴む程度の使い方が現実的です。

工事項目ごとの費用の考え方

大規模修繕の見積もりは、多くの工事項目の積み上げで構成されます。中でも費用の大きな割合を占めやすいのが、次の3つの分野です。

仮設工事(足場など)

外壁や屋上の工事を行うために、建物の周囲に足場を組みます。工事そのものではないものの、建物の外周や高さに応じて規模が決まるため、総額の中で相応の割合を占める項目です。

外壁関係(下地補修・塗装・タイル・シーリング)

ひび割れや浮きの補修、塗装の塗り替え、タイルの補修、目地のシーリング打ち替えなど、外壁まわりの工事は項目数も数量も多く、費用の中心になりやすい分野です。下地補修は足場を掛けて初めて数量が確定する部分もあり、見積もり時点では想定数量で計上されることがあります。

防水関係(屋上・バルコニー・廊下など)

屋上やバルコニー、共用廊下の防水は、建物を雨水から守るうえで重要な工事です。既存防水の状態や採用する工法によって内容が変わります。

ここで大切なのは、これらの費用がいずれも「数量×単価」で決まるということです。単価が妥当に見えても、数量が建物の実態より多く計上されていれば総額は膨らみますし、逆に少なければ工事中の追加費用につながることもあります。相場感を持つこと以上に、数量の妥当性を確認することが見積もり検討の要になります。

相場より大事なこと——自分の建物にとっての適正

ここまで相場の目安を紹介してきましたが、最終的に大切なのは「世間の相場」ではなく、自分の建物にとって適正な内容・金額かどうかです。それを確かめる基本は、次の2つに集約されます。

  • 複数社の見積もりを同じ条件で比較する——比較対象があって初めて、金額や提案内容の位置づけが見えてきます。
  • 内容(数量・仕様・保証)を確認する——総額の比較だけでなく、項目ごとの数量や工法・材料、工事後の保証まで目を通すことで、金額の根拠を検討できます。

ポイント:見積書の数量や仕様の妥当性を専門知識なしに読み解くのは簡単ではありません。大規模修繕laboでは、提携建築士による見積書のチェックを無料でご利用いただけます。相場との比較で迷ったら、第三者の目を通してみるのも一つの方法です。

まとめ——目安を出発点に、内容の確認へ

大規模修繕の費用は、国土交通省の実態調査をもとにすると戸あたり75万〜125万円程度が一つの目安になりますが、実際の金額は建物の状態・仕様・工事範囲によって大きく変わります。相場はあくまで出発点とし、複数社の見積もりを比較しながら、数量・仕様・保証といった中身を確認していくことが、納得のいく大規模修繕につながります。

「自分のマンションの場合はどう考えればいいのか」「見積もりの内容が妥当か知りたい」という方は、中立の立場でサポートする大規模修繕laboにお気軽にご相談ください。相談・比較・見積書チェックまで無料です。

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