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工事中と工事後 約7分で読めます

大規模修繕中の洗濯物|干せない期間と、乾かす工夫

「何週間」ではなく「どの日に、どの住戸が」で知らせる

大規模修繕中の洗濯物|干せない期間と、乾かす工夫

この記事の結論

  • 洗濯物を外に干せない期間は、建物の規模、工程の組み方、住戸がどの面・どの階にあるかで変わります。「◯週間」と一律に言わず、施工会社の工程表から住戸ごとの日程を読み取って知らせます。
  • 管理組合が用意できるのは、早めの予定の周知、干せる日と干せない日の切り替えの連絡、室内で乾かす方法の案内、共用部を使った一時的な物干し場の検討です。
  • 乾燥機の利用代などの補助を求められたら、公平性と費用の出どころを理事会で検討し、決めた内容と理由を記録に残します。

工事が始まると、管理組合に最初に届く声の一つが「洗濯物はいつ干せるのか」です。共働きの世帯や子どものいる世帯では、毎日の家事の段取りに直結します。

工事中の生活で起きることの全体は、工事中の生活で起きることで整理しています。この記事は洗濯物に絞り、管理組合が何を、いつ、どの単位で住民に知らせるかを扱います。

干せない期間は、住戸によって違う

「工事中はずっと干せない」と受け止める住民もいます。実際には、足場は建物全体に組まれていても、洗浄や塗装は面や区画ごとに順に進めることがあります。そのため、干せない日は住戸によってずれます。

期間を一律の数字で示せないのは、次のような事情があるからです。

  • 建物の大きさと、作業を進める班の数
  • 工程の順番(面ごとに進めるか、工程ごとに全体を回るか)
  • 雨や強風による作業の順延
  • バルコニーの床の防水など、住戸の中に近い作業の有無

着工前に施工会社から工程表を受け取ったら、住民に知らせる前に、次の点を読み取ってください。分からない点は、施工会社に聞いて確かめます。

読み取ること 住民に伝えるときの形
自分の住戸がある面(東西南北)と階に、作業が来る時期 「◯面の住戸は、◯月上旬から中旬」
バルコニーの中で作業がある日 床の防水、手すりや物干し金物の塗装などで、物を置けない日
雨で順延したときの扱い 予定がずれたときの知らせ方
物干しを再開してよい時期 自分の面の作業が終わったあとも、別の作業が続くかどうか

4番目の「再開してよい時期」は、よく聞かれる点です。 自分の面の塗装が終わっても、足場の上で別の作業が続くことがあります。再開の目安は、施工会社の判断を聞いてから知らせてください。

バルコニーは共用部分、という前提を伝える

国のひな形であるマンション標準管理規約では、バルコニーは共用部分(別表第2)で、区分所有者はそこに専用使用権を持つ、という形になっています(第14条)。そのコメントには、専用使用権は通常の用法に従って使うべきこと、管理のために必要な範囲で、他の者の立入りを受けることがあるなどの制限を伴うことが書かれています。

(出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」2025年10月17日改正、第14条・第14条関係コメント②・別表第2、2026-10-22 確認)

洗濯物を干すのは、バルコニーのふだんの使い方です。ただ、計画修繕の間は、管理組合の工事のために使い方が制限されます。お願いの文面にこの前提を一言添えると、「なぜ自分の家のバルコニーなのに干せないのか」という疑問に答えやすくなります。

ただし、「規約で決まっているから」だけで押し切らないでください。 前提を伝えたうえで、干せる日を少しでも具体的に示すことが、受け止め方を変えます。自分の組合の規約が同じ定めになっているかも、あわせて確かめてください。

お知らせは「いつから・いつまで・どの住戸」

洗濯物のお知らせは、3つの段階に分けると混乱が少なくなります。

段階 時期 中身
全体の予定 着工前の説明会のころ 面ごとの、干せない時期のおおよその見通し
週ごとの予定 前の週の後半 住戸の列や階ごとの、干せない日と干せる日
変更の連絡 前日まで 雨による順延など、予定が変わったこと

「干せる日」も書いてください。 干せない日だけを並べると、住民は毎日確かめなければならなくなります。

掲示板だけでは、日中に家にいない世帯に届きにくい場合があります。エレベーター内の掲示、各戸への配布、メールなど、組合で使える方法を組み合わせます。賃貸に出している住戸は、入居者に届く経路があるかも確かめてください。区分所有者への連絡だけでは、実際に住んでいる人に伝わらないことがあります。住戸の状況の把握の仕方は、アンケートと説明会の設計で扱っています。

お知らせ文の例(週ごとの予定)

◯月◯日(月)から◯日(土)まで、東面のバルコニー側で外壁の洗浄と補修を行います。東面にお住まいの方は、この期間、洗濯物や布団をバルコニーに干さないでください。

西面・北面にお住まいの方は、この週は干していただけます。

雨などで予定が変わる場合は、前日の◯時までに、掲示板とエレベーター内でお知らせします。

ご不明な点は、現場事務所(電話◯◯◯)までお問い合わせください。

室内で乾かす工夫を、案内として配る

それぞれの家庭の乾かし方まで、管理組合が決めることはできません。ただ、工夫の例をまとめて配ることはできます。次のような内容が考えられます。

  • 浴室乾燥機や衣類乾燥機があれば、その利用
  • 除湿機、エアコンの除湿運転、扇風機やサーキュレーターで風を当てる
  • 洗濯物どうしの間隔をあけて干す
  • 近くのコインランドリーの場所と営業時間
  • 布団は、布団乾燥機やクリーニングを使う方法もある

案内には、機器の使い方は取扱説明書に従うこと、どの方法を選ぶかは各家庭の判断であることを添えてください。窓を開けられない日と重なると、室内に湿気がこもりやすくなります。換気扇を回すことも、一言添えておくとよいでしょう。

共用部に一時的な物干し場を設けるなら

干せない期間が長くなる住戸がある場合、集会室などを一時的な物干し場にするという方法があります。決めるときは、次の点を整理します。

決めること 検討の観点
場所 屋内の共用スペースか。避難経路や消火設備の前をふさがないか
使える期間と時間 工事のどの時期か。夜間も使えるか
使い方の決まり 1回に干せる時間、取り込み忘れの扱い
管理 鍵の開け閉め、清掃、取り違えや盗難への注意
費用 物干し器具の購入やレンタル。施工会社の仮設として見積に入れるか
決める場 理事会の判断で始めてよいか、使用細則の手当てが要るか

標準管理規約は、建物や共用部分の使い方について、別に使用細則を定めることにしています(第18条)。一時的な使い方であっても、自分の組合の規約と細則で、誰が決められることになっているかを確かめてから始めてください。

(出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」2025年10月17日改正、第18条、2026-10-22 確認)

共用の物干し場は、人目に触れることを嫌って使わない住民もいます。用意したから十分、とは考えず、室内で乾かす案内と組み合わせてください。

費用の補助を求められたとき

「コインランドリー代を管理組合で負担してほしい」という声が出ることがあります。応じるかどうかを決める前に、次の点を整理します。

  • 公平性:干せない日数は住戸によって違う。どこで線を引くか
  • 費用の出どころ:どの会計から支出できるかを、規約で確かめる
  • 先例:次の大規模修繕でも同じ扱いを求められる
  • 代わりの手段:工程の組み方で、干せない日を減らせないか施工会社に相談する

補助をする場合も、しない場合も、理事会で検討した内容と理由を議事録に残し、住民に理由を添えて知らせてください。 理由が書かれていないと、次の理事が同じ議論を最初からやり直すことになります。記録の残し方は議事録と記録の残し方で整理しています。

※ 本記事は一般的な整理です。干せない日の数と範囲は、工事の内容、工程、建物の形によって変わります。

よくある質問

工事の期間中、ずっと洗濯物を干せないのですか

住戸によって違います。洗浄や塗装は面や区画ごとに進めることがあり、自分の面の作業がない週には干せる場合があります。工程表を施工会社に確かめ、干せる日もあわせて知らせてください。

干していた洗濯物に、塗料が付いてしまったら

洗う前に写真を撮り、日時と場所を控えて、現場の窓口に申し出るよう案内します。どう対応するかは、施工会社との契約の内容と、施工会社の判断によります。管理組合は、申し出の窓口と記録の取り方を、着工前に施工会社と決めておきます。

布団は、いつから干せるようになりますか

自分の住戸の面の作業が終わったあとも、足場の上で別の作業や点検が続くことがあります。再開してよい時期は施工会社に確かめ、住戸ごとに知らせてください。

住民から「干せない期間をもっと短くしてほしい」と言われたら

工程の順番や班の配置で、住戸ごとの日数を減らせる余地があるかを、施工会社に相談します。できること、できないことの回答を受け、その理由とあわせて住民に返してください。

建物診断から施工まで、自社で一貫対応します

大規模修繕LaBoは、建築士による建物診断から、自社職人による施工・検査・アフターまで一貫して行う大規模修繕サービスです。他社のお見積書の確認もお気軽にご相談ください。現地調査・お見積りは無料です(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
専用使用権共用部分の一部を、特定の区分所有者が専用で使える権利。バルコニーが代表例。
計画修繕長期修繕計画にもとづいて、管理組合が計画的に行う修繕。
工程表工事の作業の順番と日程を示した表。全体の工程表と、週ごとの工程表がある。
使用細則管理規約にもとづき、建物や共用部分の使い方を具体的に定めた決まり。
現場事務所工事の期間中、施工会社が敷地内などに置く連絡と管理の拠点。
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