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費用と資金 約6分で読めます

大規模修繕の費用|30戸・50戸・100戸の規模別に見る目安

国の調査の「工事金額」が何を含むかを確かめてから比べる

大規模修繕の費用|30戸・50戸・100戸の規模別に見る目安

この記事の結論

  • 国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」は、2026年10月22日時点で国土交通省のページに掲載されている最新の調査です。調査の工事金額は、共通仮設費と消費税相当額を含みません。
  • 戸あたりの工事金額は「100万〜125万円」が27.0%で最も多く、床面積あたりでは「1.0万〜1.5万円」が33.4%で最も多い区分でした。
  • 調査は戸数規模別にも工事金額を集計しています。1回目の工事で最も多い区分は、21〜30戸で2,000万〜4,000万円、31〜50戸で4,000万〜6,000万円、76〜100戸で8,000万〜1億円です。戸あたりの金額に戸数を掛けた数字は、この記事では使いません。

「うちくらいの規模だと、いくらかかるのか」。修繕委員会で最初に出る質問の一つです。

答えの材料として使いやすいのが、国土交通省の実態調査です。ただし、調査の「工事金額」には含まれない費用があり、見積の総額とそのままは比べられません。この記事では、調査に載っている数字だけを使い、どの範囲の金額なのかを確かめながら整理します。

調査の概要と、工事金額の範囲

項目 内容
調査の対象 回答時点から直近3年間に、大規模修繕工事の設計コンサルタント業務や施工を受注した企業
実施時期 2021年7月〜10月
集計した工事 200社から集めた878件のうち、工事が完了している818件
工事金額に含むもの 直接工事費(共通仮設費は含まない)、諸経費①(現場管理費・一般管理費・法定福利費等)、諸経費②(大規模修繕瑕疵保険の保険料)
含まないもの 共通仮設費、消費税相当額
対象の工事 計画修繕やグレードアップのための改修工事(耐震改修工事を除く)

(出典:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査(報告書)」≪1≫、マンションに関する統計・データ等に掲載、2026-10-22 確認)

設計コンサルタントの業務は、調査では工事金額とは別に、業務量(人・時間)として集計されています。設計監理の費用は、この工事金額に入っていないものとして読みます。

戸あたり・床面積あたりの分布

戸あたりの工事金額(818件)は、「100万〜125万円」が27.0%で最も多く、次いで「75万〜100万円」が24.7%、「125万〜150万円」が17.4%でした。工事の回数別に見ると、次のとおりです(単位:万円/戸)。

回数 下位25% 中央値 上位25% 平均
1回目(331件) 90.9 110.2 134.0 151.6
2回目(194件) 87.8 106.1 129.8 112.4
3回目以上(242件) 76.8 97.0 125.7 106.1

床面積あたりの工事金額は、「1.0万〜1.5万円/㎡」が33.4%で最も多く、次いで「0.5万〜1.0万円/㎡」が19.9%、「1.5万〜2.0万円/㎡」が15.4%でした(無回答20.5%)。中央値は1回目1.1万円、2回目1.3万円、3回目以上1.2万円です。

(出典:同調査 ≪2≫③④、2026-10-22 確認)

1回目は平均(151.6万円)が中央値(110.2万円)を大きく上回っています。金額の大きい一部の工事に平均が引っぱられていると考えられ、目安として見るなら中央値と、下位25%〜上位25%の幅が向いています。

戸数規模別の工事金額

調査は、戸数規模を9つに分けて、工事金額の分布も載せています。30戸・50戸・100戸に当たる区分を抜き出すと、次のとおりです。金額は工事全体の額で、区分の幅は調査の表記どおりです。

戸数 回数(件数) 最も多い区分 次に多い区分
21〜30戸 1回目(19件) 2,000万〜4,000万円(68.4%) 4,000万〜6,000万円(31.6%)
21〜30戸 2回目(12件) 2,000万〜4,000万円(91.7%) 2,000万円以下(8.3%)
21〜30戸 3回目以上(12件) 2,000万〜4,000万円(58.3%) 2,000万円以下(25.0%)
31〜50戸 1回目(63件) 4,000万〜6,000万円(54.0%) 2,000万〜4,000万円(25.4%)
31〜50戸 2回目(28件) 4,000万〜6,000万円(53.6%) 2,000万〜4,000万円、6,000万〜8,000万円(各21.4%)
31〜50戸 3回目以上(35件) 4,000万〜6,000万円(45.7%) 6,000万〜8,000万円(28.6%)
76〜100戸 1回目(40件) 8,000万〜1億円(42.5%) 1億〜1億5,000万円(30.0%)
76〜100戸 2回目(26件) 1億〜1億5,000万円(34.6%) 8,000万〜1億円(26.9%)
76〜100戸 3回目以上(30件) 8,000万〜1億円、1億〜1億5,000万円(各26.7%) 6,000万〜8,000万円(23.3%)

(出典:同調査 ≪4≫ マンションの戸数規模・大規模修繕工事回数別の集計、2026-10-22 確認)

件数が十数件の区分は、1件の違いで割合が数%動きます。どの区分に山があるかを見る程度にとどめてください。

戸数を掛けて金額を作らない

30戸・50戸・100戸ちょうどの金額は、この調査からは出せません。戸あたりの金額は規模を分けずに集計したもので、規模別の戸あたりの金額は、調査には載っていません。戸あたりの中央値に戸数を掛けた数字は、調査の数字ではなく、計算で作った数字です。

調査も、工事金額はマンションの規模や劣化の状況などで異なると注記しています。階数、外壁がタイルか塗装か、劣化の量によって、同じ戸数でも金額は変わります。

調査の数字を使うときの注意

  • 調査は2021年に、直近3年間に受注した工事を集めたものです。その後の工事費の動きは入っていません
  • 見積と比べるときは、見積から共通仮設費と消費税を外し、設計監理の費用を分けてから並べます
  • 「相場より高い・安い」ではなく、「調査の分布のどのあたりか」として記録します

比べた調査の名前、使った区分、見積から外した項目を議事録に残しておくと、後から「何と比べたのか」を説明できます。見積の項目の読み方は見積書の読み方(数量・単価・一式)、項目ごとの費用の性質は工事項目別に見る費用の内訳で扱っています。

※ 本記事の数字は、国土交通省の調査の公表値です。実際の工事費は、建物の条件と工事の範囲によって変わります。

よくある質問

調査の金額と、見積の総額が大きく違います

まず範囲をそろえます。調査の工事金額には、共通仮設費と消費税相当額が入っていません。設計監理の費用も別です。そのうえで、工事の範囲(どの工事項目が入っているか)と、調査の時期からの工事費の動きの違いを確かめてください。

2回目・3回目は、1回目より安くなるのですか

戸あたりの中央値は回数が進むほど低くなっていますが、床面積あたりの中央値は2回目が最も高く、一方向には動いていません。集計された建物が回ごとに違うためで、回数だけで金額を判断することはできません。回数による工事内容の違いは1回目・2回目・3回目で内容がどう変わるかをご覧ください。

51〜75戸や、100戸を超える規模の数字はありますか

あります。調査の規模区分は、20戸以下、21〜30戸、31〜50戸、51〜75戸、76〜100戸、101〜150戸、151〜200戸、201〜300戸、301戸以上の9つです。報告書の≪4≫で、自分の規模の区分を確かめてください。

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大規模修繕LaBoは、建築士による建物診断から、自社職人による施工・検査・アフターまで一貫して行う大規模修繕サービスです。他社のお見積書の確認もお気軽にご相談ください。現地調査・お見積りは無料です(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)。

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付録:本記事で使用した専門用語一覧

用語解説
共通仮設費現場事務所や資材置き場など、工事全体のために設ける仮設の費用。
直接工事費個々の工事に直接かかる費用。この調査では仮設工事の費用もここに入り、共通仮設費は除かれている。
諸経費工事の現場や会社の運営にかかる費用。この調査では、現場管理費・一般管理費・法定福利費等を諸経費①としている。
大規模修繕瑕疵保険大規模修繕工事の瑕疵(欠陥)に備える保険。調査では保険料を諸経費②として工事金額に含めている。
中央値金額の小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る値。
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